洗濯機でお湯を使うと、汚れ落ちが良くなる一方で、「洗濯機がお湯の使用で壊れるのでは？」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
特に、熱湯を使ってカビを除去したり、60度の高温で洗濯したいと考えている場合、洗濯機の耐熱性や適正温度を知ることが重要です。
また、お湯が出るようにしたいと考えたとき、どのような方法があるのか、そして適切な入れるタイミングや入れ方も気になるポイントでしょう。
最近では、パナソニックの約60度除菌機能など、高温洗浄が可能な機種も登場していますが、すべての洗濯機が対応しているわけではありません。
さらに、60度の電気代はどれくらいかかるのか、洗濯物をお湯で洗うデメリットはあるのかなど、知っておくべき情報も多くあります。
本記事では、洗濯機でお湯を使用する際の注意点や正しい活用法について詳しく解説します。
記事のポイント
- 洗濯機で使用できるお湯の温度と安全な範囲
- お湯を使うことで洗濯機が壊れるリスクとその対策
- 高温洗浄が可能な洗濯機の種類や機能
- お湯洗いによる電気代や衣類への影響
洗濯機でお湯を使うと壊れる？注意点を解説
- 洗濯機の通常コースは何度？適正温度を知ろう
- 何度までOK？60度のお湯は使えるのか
- 洗濯表示の見方！お湯洗いOKな衣類を確認
- ドラム式洗濯機はお湯で洗うことができる？
- パナソニックの60度除菌機能とは？
洗濯機の通常コースは何度？適正温度を知ろう
洗濯機の通常コースの水温は、一般的に20～40度程度に設定されています。
これは、衣類の素材を傷めず、洗剤の洗浄力を十分に発揮させるための適正な温度とされています。
一方で、日本の水道水の温度は季節によって変動します。
冬場は10度以下になることもありますが、通常コースでは水道水の温度に依存するため、季節によって洗濯水温が異なります。
このため、特に皮脂汚れや油汚れが多い衣類を洗う場合、30～40度のぬるま湯を使うことで洗浄効果が高まることがあります。
ぬるま湯を使うことで洗剤がしっかり溶け、繊維の奥まで浸透しやすくなるためです。
ただし、高温になりすぎると生地が傷んだり、色落ちしたりする可能性があるため、衣類の洗濯表示を確認することが大切です。
また、ドラム式洗濯機のように、お湯を使用できる機能が搭載されている場合でも、適正温度を守って使用することが推奨されます。
洗濯機の通常コースを使用する際は、衣類の種類や汚れの度合いに応じて適温を意識すると、より効果的に洗濯できます。
何度までOK？60度のお湯は使えるのか
洗濯機で使用できるお湯の温度には限度があり、60度のお湯を使えるかどうかは機種によって異なります。
一般的な家庭用洗濯機では、50度程度までを推奨しているメーカーが多く、それ以上の高温は部品の劣化や故障の原因となる可能性があります。
洗濯にお湯を使用したいです／温度は何度までですか？
お湯取運転など、お湯を使用する場合は50℃以下の温水をご使用ください。
日立 | よくあるご質問より引用
一部の高温洗浄対応の洗濯機では、60度前後のお湯で洗う機能が搭載されているものもあります。
例えば、パナソニックの「約60度除菌」コースでは、約60度の温水を使用して除菌効果を高めることができます。
このような機能を備えた洗濯機であれば、約60度のお湯を使って洗濯することが可能です。
【洗濯機全般】洗濯機に入れてもよいお湯の温度は
風呂水を利用するなど、お湯を使用する場合は50℃未満の温水をご使用ください。
機種によっては、 「60℃除菌コース」 のように、運転時に60℃を越える水温で運転する機種もあります。
しかし、手動で60度のお湯を入れるのは避けるべきです。
洗濯機内部のゴムパッキンやホースが熱で劣化し、故障のリスクが高まります。
適温を守ることで洗濯機の寿命を延ばし、衣類の傷みを防ぐことができます。
もし高温での洗濯が必要な場合は、高温対応の洗濯機を選ぶか、クリーニング店を利用するのが安全な選択肢です。
洗濯表示の見方！お湯洗いOKな衣類を確認
洗濯表示を確認することで、どの衣類がお湯洗いに適しているのかが分かります。
お湯で洗えるかどうかは、衣類の素材や加工方法によって異なるため、事前に洗濯表示をしっかりチェックすることが大切です。
まず、洗濯表示の中で注目すべきマークは「桶のマーク（洗濯機や手洗いの可否）」です。
このマークの中に数字が書かれている場合、その数字が洗濯可能な最高温度を示しています。
例えば、「40」なら40度まで、「60」なら60度までのお湯で洗えるという意味になります。
また、「桶のマークにバツ（×）」がついているものは、家庭での洗濯ができない衣類です。
お湯はもちろん、水で洗うこと自体がNGなので注意しましょう。
さらに、以下のような衣類はお湯洗いに向いているかどうかを判断する際の参考になります。
お湯洗いOKな衣類
- コットン（綿）やリネン（麻）素材のもの
- 60度洗い対応のタオルやシーツ
- ポリエステルなどの化学繊維（ただし、高温には注意）
お湯洗いNGの衣類
- ウールやカシミヤなどの天然繊維（縮みや型崩れのリスクが高い）
- シルクやレーヨン（デリケートな素材で傷みやすい）
- プリントTシャツ（高温でプリント部分が劣化する可能性がある）
さらに、「手洗いのみ」や「ドライクリーニング推奨」のマークがある場合は、お湯洗いは避けた方が安全です。
高温で洗うことで生地の傷みや型崩れを引き起こす可能性があるため、指定された方法で洗うようにしましょう。
洗濯表示を正しく理解することで、衣類を長持ちさせるだけでなく、適切な洗い方ができるようになります。
特にお湯を使う場合は、表示をしっかり確認した上で、適切な温度を選ぶことが大切です。
ドラム式洗濯機はお湯で洗うことができる？
ドラム式洗濯機の多くは、お湯を使って洗濯する機能を搭載しています。
一般的な縦型洗濯機は水道水の温度に依存することが多いですが、ドラム式洗濯機はヒーターで水温を上げられるモデルが多く、お湯での洗濯が可能です。
お湯で洗うメリットとして、皮脂汚れや油汚れの分解力が高まることが挙げられます。
特に30～40度のぬるま湯を使用すると洗剤の溶け残りが少なくなり、洗浄力が向上します。
また、除菌や消臭効果も期待できるため、タオルや下着などの衛生面が気になる衣類には適しています。
ただし、すべてのドラム式洗濯機が高温洗浄に対応しているわけではありません。
機種によってお湯の上限温度が異なるため、取扱説明書を確認することが重要です。
例えば、40度までしか対応していない機種に60度のお湯を入れると、内部部品が劣化し故障の原因となる可能性があります。
また、お湯を使用することで電気代が上がる点も考慮する必要があります。
ヒーターで水を温めるため、通常の冷水洗浄よりも消費電力が増えることは避けられません。
そのため、汚れの種類や洗濯物の状態に応じて適切な温度を選ぶことが大切です。
パナソニックの60度除菌機能とは？
パナソニックの「約60度除菌」機能は、高温の水を使用して衣類を徹底的に除菌・洗浄する機能です。
一般的な洗濯では落としにくい雑菌やニオイの元を、高温で効果的に除去することができます。
この機能の最大の特徴は、洗剤や漂白剤に頼らずに除菌効果を発揮できることです。
特に赤ちゃんの衣類やタオル、下着など、肌に触れるものを清潔に保ちたい場合に適しています。
また、部屋干しのニオイ対策にも効果的で、雑菌の繁殖を抑えられるため、生乾きのイヤな臭いが軽減されます。
一方で、約60度という高温で洗濯するため、すべての衣類に適しているわけではありません。
ウールやシルクなど熱に弱い素材は縮みや傷みの原因になるため、洗濯表示を必ず確認することが大切です。
また、高温での洗濯は通常のコースよりも電気代が高くなる可能性があります。
ヒーターを使用するため、頻繁に利用すると電気代がかさむことが考えられます。
そのため、特に清潔に保ちたい衣類や、除菌が必要なタイミングで活用するのが効果的です。
このように、パナソニックの約60度除菌機能は、高温洗浄による強力な除菌・消臭効果を持つ便利な機能ですが、使用する衣類やコスト面を考慮しながら使うことが重要です。
洗濯機でお湯を使う際の壊れるリスクへの対策
- お湯が出るようにしたい！設定や工夫の仕方
- 洗濯機にお湯を入れるタイミングと正しい入れ方
- 洗濯物をお湯で洗うデメリットとは？
- 60度で洗うと電気代はどのくらい高くなる？
- 熱湯はカビ対策に効果的？有効な対策方法とは
お湯が出るようにしたい！設定や工夫の仕方
洗濯機でお湯を使いたい場合、設定の確認やいくつかの工夫をすることで対応可能です。
ほとんどの洗濯機は水道水を使用する前提で設計されていますが、機種によってはお湯を使う機能が搭載されていることもあります。
まず、洗濯機の取扱説明書を確認し、お湯の使用が可能かをチェックすることが重要です。
一部のドラム式洗濯機にはヒーター機能があり、内部で水を加熱してお湯洗いができるものもあります。
もしヒーター機能がない場合は、外部からお湯を供給する方法を考える必要があります。
お湯を供給するための方法として、混合栓を利用するのが一般的です。
洗濯機の給水ホースをお湯の出る蛇口につなげることで、一定の温度のお湯を使用できます。
ただし、水温が高すぎると故障の原因になるため、40度以下のお湯を使うのが推奨されています。
また、お風呂の残り湯を活用する方法もあります。
専用のポンプを使って洗濯機に吸い上げれば、お湯を有効活用できます。
ただし、残り湯には皮脂や汚れが含まれているため、すすぎには清潔な水を使うことが望ましいです。
洗濯機に直接お湯を入れる場合は慎重に行う必要があります。
温度が高すぎると洗濯機の内部部品が劣化しやすくなるため、適温を守りながら工夫して利用することが大切です。
洗濯機にお湯を入れるタイミングと正しい入れ方
洗濯機にお湯を入れる適切なタイミングは、洗濯の目的や洗濯機の仕様によって異なります。
お湯を使うことで汚れ落ちが良くなりますが、誤ったタイミングで入れると衣類や洗濯機に負担をかけることがあるため注意が必要です。
まず、洗濯の最初の段階（洗い工程）でお湯を入れるのが基本です。
お湯は洗剤の溶解を促し、皮脂や油汚れを効果的に落とすため、最初の洗い時に使うのが最も効果的です。
ただし、洗剤の種類によっては高温のお湯が適さないものもあるため、事前に確認しておきましょう。
次に、お湯を使うタイミングとして「つけ置き」も有効な方法のひとつです。
40〜50度程度のお湯に洗剤を溶かし、洗濯物をしばらく浸してから洗濯機に入れることで、より汚れを落としやすくなります。
特に、皮脂汚れが気になる衣類や、黄ばみが発生しやすいシャツなどには効果的です。
一方で、お湯を入れるのに適さないタイミングもあります。
例えば、すすぎの段階でお湯を使うと、衣類の繊維が傷んだり、柔軟剤の効果が弱まることがあります。
そのため、すすぎは通常の水またはぬるま湯（30度以下）を使用するのが良いでしょう。
お湯の入れ方としては、給水ホースをお湯の出る蛇口につなぐ方法が一般的です。
ただし、洗濯機の耐熱温度を超えないよう注意が必要です。
ほとんどの洗濯機は40度までの温水に対応していますが、60度以上のお湯を入れると部品が劣化し故障の原因になります。
洗濯機にお湯を入れるベストなタイミングは、洗濯の目的によって変わります。
洗剤の種類や衣類の素材を確認しながら、適切な方法で取り入れることが大切です。
洗濯物をお湯で洗うデメリットとは？
お湯で洗濯すると汚れがよく落ちるメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。
温度によっては衣類や洗濯機に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。
まず、お湯洗いの最大のデメリットは衣類のダメージや縮みのリスクがあることです。
特にウールやシルクなどの繊維は熱に弱く、高温のお湯で洗うと生地が硬くなったり縮んでしまうことがあります。
洗濯表示を確認し、適温で洗うことが重要です。
次に、お湯を使うことで色落ちしやすくなる衣類がある点にも注意が必要です。
特に濃い色の衣類やデニムなどは高温で洗うと染料が流れ出し、他の衣類に色移りすることがあります。
色落ちが心配な場合は、ぬるま湯（30～40度）程度で洗うか、白い衣類と分けて洗うと良いでしょう。
また、洗濯機の負担が増えるというデメリットもあります。
通常、洗濯機は水道水を使用する設計になっており、高温のお湯を頻繁に使うとパーツが劣化しやすくなります。
特に、ゴムパッキンやホース類は熱によって劣化し、ひび割れや水漏れの原因になることも考えられます。
このように、お湯洗いには汚れ落ちが良くなるメリットがある一方で、衣類や洗濯機への影響を考慮する必要があります。
使用する温度や洗濯機の対応状況を確認し、適切に活用することが重要です。
60度で洗うと電気代はどのくらい高くなる？
洗濯機で60度のお湯を使って洗濯する場合、通常の水洗いに比べて電気代は高くなります。
これは、洗濯機が水を加熱するために電力を消費するためです。
一般的な家庭用洗濯機は、通常のコースで使う水の温度は20～40度程度に設定されています。
しかし、60度洗いをする場合、洗濯機内でさらに加熱するため、多くの電力を使用することになります。
機種や使用頻度にもよりますが、60度洗いを毎回行うと電気代が増加する可能性があります。
例えば、ドラム式洗濯機の場合、60度洗いの消費電力量は1回あたり1.5～2.5kWh程度になることがあります。
これを電気料金に換算すると、1回の洗濯で約40～60円程度かかる計算になります。
通常の冷水洗い（0.3～0.5kWh）と比べると、3～5倍の電気代がかかることもあるため、頻繁に使用すると光熱費が増加します。
また、電気代の上昇を抑える工夫も可能です。
例えば、夜間や早朝の電気料金が安い時間帯に洗濯する、フィルターを定期的に掃除する、洗濯物の量を適切に調整するなどの対策を取ることで、コストを抑えることができます。
さらに、お風呂の残り湯を使うことで、お湯を加熱する電力を節約する方法もあります。
ただし、残り湯には皮脂や雑菌が含まれているため、すすぎは清潔な水を使うことが推奨されます。
このように、60度洗いは高い洗浄効果が期待できる一方で、電気代の増加が避けられません。
コストとのバランスを考えながら、適切な頻度で利用するのが良いでしょう。
熱湯はカビ対策に効果的？有効な対策方法とは
洗濯機のカビ対策として「熱湯を使えば効果があるのでは？」と考える人も多いですが、日本電機工業会の「洗濯機のカビ Q&A」によると、熱湯だけでカビを完全に除去するのは難しいとされています。
熱湯を使う際の問題点
- 洗濯機が高温に対応しているか確認が必要（ほとんどの家庭用洗濯機は高温のお湯に対応していない）
- プラスチックやゴム製の部品が劣化する可能性がある（ホースやパッキンが変形することも）
- 非常に高温のお湯で長時間加熱する必要がある（「文部科学省のマニュアル」では120度で2時間程度加熱することを推奨）
効果的なカビ対策方法
熱湯に頼らず、より確実な方法でカビを防ぐことが重要です。
以下の方法を取り入れることで、洗濯機のカビを防ぐことができます。
- 洗濯槽クリーナーを定期的に使用する
酸素系漂白剤や塩素系漂白剤を使って、月に1回程度の洗濯槽洗浄を行うと効果的です。 - 洗濯機のフタを開けて通気をよくする
使用後にフタを開けておくことで湿気を逃し、カビが繁殖しにくい環境を作ることができます。 - 洗濯物を長時間放置しない
洗濯後、湿った状態のまま洗濯機の中に放置すると、カビが繁殖しやすくなります。なるべく早く干すようにしましょう。 - 乾燥機能を活用する
乾燥機能がついている洗濯機であれば、定期的に乾燥運転を行うことで、槽内の湿気を取り除くことができます。 - 洗剤や柔軟剤を適量にする
洗剤や柔軟剤を過剰に使うと、洗濯槽に残りやすく、それがカビの栄養源になることもあります。適量を守ることが大切です。
洗濯機の耐熱性などの問題から、熱湯で洗濯機のカビに対処することは現実的ではありません。
それよりも、洗濯槽の定期的な掃除や湿気対策を徹底する方が効果的です。
日々のちょっとした習慣を見直すことで、カビの発生を防ぐことができます。
洗濯機でお湯を使うと壊れる？適切な使い方を総括
記事のポイントをまとめます。
- 洗濯機の通常コースの水温は20～40度程度が一般的
- 60度のお湯を使えるかは機種によって異なる
- 家庭用洗濯機の推奨温度は50度以下が多い
- 60度以上のお湯は部品の劣化や故障の原因になる
- ドラム式洗濯機の一部はお湯洗いに対応している
- 高温対応機種でも洗濯表示を確認することが重要
- お湯を使用することで洗浄力が向上する場合がある
- 熱湯は洗濯機のカビ対策として有効とは言えない
- 洗濯槽クリーナーや通気をよくする方がカビ対策に効果的
- 洗濯機の給水にお湯を使う場合は適温を守る必要がある
- 60度洗いを頻繁に行うと電気代が上がる
- 洗濯表示でお湯洗いが可能か確認することが重要
- お湯洗いは衣類によっては縮みや色落ちのリスクがある
- 直接お湯を入れるのではなく適温で給水する方法が安全
- お風呂の残り湯を利用する場合はすすぎを清潔な水で行う